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  リチウムイオン電池とその安全技術編

技術分析の前提

【分析対象】リチウムイオン電池
分析対象(特許母集合):1985年(出願年)以降の日本公開特許を対象に、Fタームに[5H050BA17(リチウムイオン二次電池)]を含む特許を抽出し、分析対象とした。さらに、リチウムイオン電池の安全性に関する技術についてFターム[5H 050AA15(安全性、保安性又は防爆]により特定して分析している。



【本分析に利用したPCI指標】
全分析対象特許に対し、「他社からの注目度を示すPCI指標項目」に100%のウェイト付けを行なって各特許のPCI値を算出した後、特許のステータスにより以下のパーセンテージをかけて算出した。
登録特許:100%  審査請求済み特許:50% 公開済み特許:30% 消滅特許:10%



リチウムイオン電池全体及びその安全技術に関する特許の出願件数推移


リチウムイオン電池に関する特許出願件数自体は2000年から2001年にかけて落ち込み。その後は横ばい推移。

リチウムイオン電池全体に占めるその安全技術に関する特許の出願件数割合


リチウムイオン電池の安全技術に関する特許出願件数はほぼ横ばいで安定推移。全体の出願に占める割合は約2割。

プレイヤーの力関係


・松下電器、ソニー、三洋電機の3強であることが明らか。
・技術競争力の質的観点からみると、三菱化学、日立マクセル、三星SDIも高い技術力を保有している可能性がある


プレーヤーの力関係(リチウムイオン電池の安全技術)


・発火事故を起こしたソニーの出願件数は少ない。納入したリチウムイオン電池に異常高温などの不具合のあった三洋電機は件数自体は多いものの、技術の質的観点からみると比較的弱い。2社ともリチウムイオン電池自体の特許出願数は多いが、安全性に関するそれは少ないもしくは質的に低めであり、安全への取り組み(技術開発)が手薄だったのではないか。
・日立マクセル、三星SDI、三菱化学、新神戸製鋼所、東芝がPCIでシェアを上げており、安全技術に関して強い技術を保有している可能性がある。リチウムイオン電池の安全性がクローズアップされる中、安全をアピールできる新たな供給プレーヤーとなるか。


プレイヤーの直近の動向(リチウムイオン電池の安全技術)/出願件数推移



・安全技術に注力する松下電器。2006年には加熱問題を防止する新たなリチウムイオン電池の量産開始を発表。
・電池に不具合のあった三洋電機やソニーも2003年頃から出願件数を増加させていた。


プレイヤーの直近の動向(リチウムイオン電池の安全技術)/投入発明者推移



・三星SDIは出願件数、投入発明者数を急激に増やしており要注意だ。ソニーや三洋電機が電池の発火事故などでつまづいたのをきっかけに、市場の奪回を目指してくるのではないか。


プレーヤーの直近の動向(リチウムイオン電池)


・リチウムイオン電池の安全技術で力をつけてきている三星SDI。リチウムイオン電池全体においても、投入発明者数ではソニーに並んできており、その存在感は高まってきている。


最近注力してきている企業(リチウムイオン電池の安全技術)



・直近出願件数を伸ばしてきている企業をみるマップ。横軸は出願件数シェア、縦軸は出願件数増減率(2000年〜2002年までの出願件数に対する2003年以降の出願件数の割合)、バブルの大きさはPCI総和。全出願人を対象に分析。
・件数の多い三星SDI、三洋電機、松下電器に加えて、件数は小さいは小さいながらも日産自動車、住友金属鉱山、大日本印刷、トヨタ自動車、日本碍子、TDK、昭和電工、シャープなども直近安全技術に注力してきている可能性。もしかすると、この中からリチウムイオン電池技術の次の注目企業が生まれるかもしれない。

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【PCIrについて】
PCIr(Patent Competency Index)とは、公開されている特許情報をもとに、権利としての強さや、特許に対する注目度等の観点において特許を保有する企業の技術力を測るために、SBIインテクストラが独自に開発した指標である。PCIにより企業の保有する技術の重要度を評価することが可能となる。PCIrはSBIインテクストラ株式会社の登録商標です。

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