
【分析対象について】
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HDD大容量化を目指すには媒体の高密度化と再生ヘッドの高感度化が重要となり今回の分析では、3つの媒体の高密度化技術、2つのヘッドの高感度化技術に注目した。
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媒体の高密度化技術として、先行する「ディスクリート・トラック」、実用化に更なる時間を要する「ビット・パターンドメディア」、「熱アシスト記録」を取り上げる。
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実用化が予定される「ディスクリート・トラック」技術は垂直記録方式を採用し、実現できる記録密度は1Tビット/(インチ) とされている。一方、 「ビット・パターンドメディア」技術、「熱アシスト記録」技術は、記録方式の転換を図ることにより、1Tビット/(インチ) 超えの記録密度を可能にするといわれる。
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再生ヘッドの高感度化技術として、「TMRヘッド」と「CPP型GMRヘッド」を取り上げる。
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現行採用されている「TMRヘッド」は更なる性能向上が期待されており、技術開発が続いる現状にある。一方、「CPP型GMRヘッド」は次世代技術として注目され、実用化の目途がたってきた状況にある。
【技術別の各チャートから見えるもの】
<全般>
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技術全体の出願件数は2000年を境に急増しており、各社がHDDの大容量化へ向けて注力している様子がうかがえる。
<記録媒体技術>
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「ディスクリート・トラック」技術に関する出願件数シェアをみると、上位3社で半分以上のシェアを占める。これをPCI についてみると、そのうちの1社が頭角を現し、単独で大きなシェアを占める結果となった。現在から近い将来にかけてのHDDの高密度化に関し、更に技術的に競争優位にある企業を明らかにすることができた。
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革新技術である「ビット・パターンドメディア」、「熱アシスト記録」に関する出願件数をみると、東芝、日立はともにシェアが大きく、TDKは 「ビット・パターンドメディア」についてシェアが大きい。
<再生ヘッド技術>
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「TMRヘッド」技術に関して出願件数シェアをみると、TDK、日立の2社で63%のシェアを誇るが、これをPCI についてみると、TDKが単独で60%のシェアを有する。
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「CPP型GMRヘッド」技術に関して出願件数シェアをみると、上位2社で半分以上のシェアを誇るが、これをPCI についてみると、一方の企業が単独で大きくシェアを伸ばし、ここでも技術的に競争優位な企業を明らかにすることができた。
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再生ヘッドの高感度化技術に関しては、TDKが高い技術競争力を持っているのは明らかである。実用化の目途もたっており、TDKを中心とした今後の製品投入が期待がされるだろう。

【分析対象】不揮発性メモリ→HDD関連技術では
分析対象(特許母集合):1985年以降に出願された日本公開特許公報を対象に、発明の名称や要約中に、「ディスクリートトラック」(106件)、「パターンドメディア」(39件)、「熱アシスト」(89件)、「CPP型GMRヘッド」(60件)及び「TMRヘッド」(222件)のキーワードを含む(同義語も含む)特許を抽出し、分析対象とした。図中の項目のうち、富士通グループとして山形富士通を、富士電機として富士電機デバイステクノロジー、富士電機ホールディングスを、キヤノンとしてキヤノンアネルバを、日立グループとしてヒタチグローバルストレージテクノロジーズ、ヒタチグローバルストレージテクノロジーズネザーランドビーブイ、日立プリンティングソリューションズ、日立マクセルを、TDKとしてヘッドウェイテクノロジーズを含むものとする。

【本分析に利用したPCI指標】 全分析対象特許に対し、「他社からの注目度を示すPCI指標項目」に100%のウェイト付けを行なって各特許のPCI値を算出した後、特許のステータスにより以下のパーセンテージをかけて算出した。
登録特許:100% 審査請求済み特許:50% 公開済み特許:30% 消滅特許:0%


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【HDD大容量化技術に関する出願状況推移】
2000年を境に出願件数が伸びてきており、1TB超HDD技術の開発競争が加速していると言える。
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【HDD大容量化技術に関する技術別出願状況推移】
・HDD大容量化技術を大別すると、記録媒体の高密度化、再生ヘッドの高感度化に区別される。・記録媒体技術:解決すべき課題を多く含む、「パターンドメディア」、「熱アシスト」に関する出願に比べ、実用化の目途のたっている「ディスクリートトラック」技術は先行している。
・再生ヘッド技術:現行採用される、TMRヘッドの高感度化技術に関する出願が、急拡大をみせている。
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【HDD大容量化技術に関する企業別発明者数の推移】
TDKの発明者投入数が近年著しい伸びを示す。日立も継続して多くの研究者を投入している。2社の積極的な研究開発状況がみてとれる。 |


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【HDD大容量化技術に関する企業別シェア】
・HDD大容量化技術全体の出願件数シェアは、TDK、日立、東芝、富士通の順となる。
・HDD大容量化技術全体のPCI シェアは、TDKが半分を占め技術競争力では圧倒的に優位な立場であると考えられる。
・TDKは、特にヘッド技術でPCI 値の高い多くの出願を行っている。本分析では、TMRヘッド技術の出願母集団が他の技術に比べて大きいものとなっていることから、TMRヘッド技術の出願を多く行っているTDKが、全体シェアへも強く寄与する結果となった。
・二番手に食い込んでくる日立は、HDD大手メーカーであったIBMの技術を吸収したHGST(ヒタチグローバルストレージテクノロジーズ)の貢献が強く現れる。HGSTにはIBMの特許・技術の多くが権利移管されており、特に大容量化技術に関しては(今回の分析に関する母集団)をHGSTに権利譲渡しているものが確認できる。
・PCI シェアではTDKが躍進し多くの企業がシェアを縮めるなかで、三星電子がシェアを伸ばしており特許件数は少ないながらも他社が注目する優れた技術を有していると考えることができる。 |

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1999年、2000年に出願したTDKの特許がPCIシェアを押し上げる要因となっている。
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【HDD大容量化技術に関する企業別推移】
・特に2002年以降TDKの出願が目立つ。
・2006年に関してもTDKは早期審査の申請を行っており、大容量化技術の強化に対して大きな意欲を示していると言える。
・2005年の出願件数をみてみると、上位企業が件数を落とす中、富士通の出願件数が倍増している。
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【パターンドメディア・熱アシスト技術に関する企業別シェア】 ・出願件数シェアをみると、両技術ともに東芝、日立の出願件数シェアが大きい。
・TDKはパターンドメディアについて出願件数シェアが大きいが、熱アシストについてはシェアが小さい。
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【パターンドメディア・熱アシスト技術のサイテーション分析】
・各技術とも技術開発が若く出願件数が近年に集中しているためPCI指標分析は行わなかった。
・各技術の中でPCI値を高く示した各技術の特許出願についてのサイテーションマップを示す。
・左図のTDKの特許出願(2007年12月12日現在出願係属中)では、4件の後願特許出願にて審査官引用(青線)をされ、4件の後願特許出願にて拒絶理由通知引用(赤線)されており、後願排除効を有した特許技術であることが分かる。このように、本件特許発明の同一・類似技術を競業他社が開発しており、その他社技術を排除するような本件特許発明は特許の価値が高いもの(弊社指標であるPCI値が高い)と考えられる。
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【パターンドメディア・熱アシスト技術に関する企業別推移】
・件数の多い企業のそれぞれ上位5社と9社の件数推移を示す。
・パターンドメディアに比べ、熱アシスト技術は出願件数も多く、競合企業が外国企業を含めて多い状況にある。 |

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【TMRヘッド技術に関する企業別シェア】
・現行技術であるTMRヘッドに関する大容量化技術では、出願件数シェア、PCIシェアともにTDKが最大シェアを占めこの分野でも圧倒的な強さを有する。
・図に示されていない情報としてTDKは共同出願(東芝、新科實業有限公司)も積極的に行っており、各社が優位なヘッド技術をもつTDKと組む動向が把握できる。その他、ヘッドウェイテクノロジーズ、アルプス電気を買収したことでヘッド技術・事業が強化され、また、富士通とはヘッド事業に関して業務提携を行っている。今後、TDKを中心としてヘッドの新技術が展開がされていきそうである。
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【TMRヘッド技術に関する企業別推移】
TDKは出願件数をさらに伸ばしている。
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【PCI について】
PCI (Patent Competency Index)とは、公開されている特許情報をもとに、権利としての強さや、特許に対する注目度等の観点において特許を保有する企業の技術力を測るために、SBIインテクストラが独自に開発した指標である。PCIにより企業の保有する技術の重要度を評価することが可能となる。PCI はSBIインテクストラ株式会社の登録商標です。
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