PCI®は、企業の各部門における知的財産を測るための物差しです。
■事業・製品の背景にある技術の優位性を測るために・・・ 製品・事業競争力評価指標
■研究技術の優位性を測るために・・・ 技術競争力評価指標
■特許の質を評価するために・・・ 特許競争力評価指標
 

特許データ報には、次のような特許の質的傾向を示すデータが含まれます。
● 外部からの注目度
● 自社の注力度
● 権利技術の強さ・広さ

ストラビジョンでは、PCIとして、質的要素を示す項目を定量化し、各項目にウェイト付けを行うことで特許の総合的な競争力を客観的なデータに基づき分析できるようにしています。

企業の知財ストックを表す指標−PCI®の可能性
山田 節夫
専修大学 経済学部 教授
産業や企業の知財ストックを推計しようとする試みは、過去幾つかの方法で行われている。例えば、「科学技術研究調査」などに掲載されているR&D投資のデータを累積することによって、比較的簡単に産業・企業ベースの知財ストックを推計することができる。しかし、企業によって支出されたR&D投資のすべてが成功し、企業価値や収益に貢献しているわけではない。そこで、登録された特許の数を集計する方法が試みられるようになった。登録された特許は、R&D投資の「成功」を反映していると考えられるからである。
ただし、単純に登録特許の数を集計するだけでは不十分である。近年では、それぞれの特許の「被引用数」によってウェイト付けをして集計する手法が用いられるようになっている。欧米の研究では、こうしたウェイト付けをした特許ストックが、企業価値を有効に説明することが明らかになっている。
また、個々の特許にはその価値を表す様々な数値情報が付随している。こうした特許の価値を左右している属性を用いれば、より正確な特許評価が可能になると考えられる。
しかし、各特許の属性情報を入手することは非常に労力を有するため、被引用数以外の属性情報を利用した研究はほとんど行われていないのが現状である。
SBIインテクストラ社が開発した“ストラビジョン”というシステムでは、これらの属性情報の入手が容易であり、より包括的で正確な特許評価の可能性を秘めているものと考えられる。(SBIインテクストラ社では、これらの属性情報から知財ストックの評価を行った指標をPCI®:Patent Competency Indexと呼んでいる)。
このような試みは今後各社で進むと思われるが、SBIインテクストラ社は他社に先駆けてシステム開発を行っており、今後のさらなる改良・発展が期待される。
知的財産の経済的意義の研究に向けた取り組み −特許の質の定量化
石井 康之
東京理科大学 専門職大学院 総合科学技術経営研究課
知的財産戦略専攻(MIP) 教授
 

今日、特許をはじめとした知的財産の重要性について論議を呈することはほとんどないでしょう。特許などの知的財産は国、企業、そして社会全体にとって有用な資産であることが共通の認識とされています。知的財産はどのような意味で、もしくはどのような認識のもとで重要と理解されているのでしょうか。

多くの場合、それは各自の経験的、感覚的理解に基づいた判断によるものと考えられます。こうした感覚的認識は非常に重要であるものの、併せてそれだけに頼ることの脆弱さにも留意することが肝要です。特許の価値や意義は何によって判断されるべきかと考えたとき、それは当然に特許の質と量を掛け合わせたものとして考えられます。特許の量は件数によって容易に把握が可能です。しかし、年間20万件に昇る我が国の特許それぞれを同等の質として理解することはできません。

これまで数十年にわたり、特許の重要性を経済的視点から多くの研究者が分析を行ってきました。しかし、その成果が広く社会に説得力を持って認知されるだけの成果につながっているとはいえず、その最大の原因が特許の質に対する評価の方法が十分に開発されてこなかったことによると考えられます。米国特許の引用数などが数少ない、こうした特許の質的研究のひとつであったといえます。しかし、特許のもつ経済的な質としての効果は引用数だけでは測定しきれるものではありません。そこには、企業などの経営実態を取り込んだ複合的な要素が付加される必要があります。

今回、インテクストラ社が開発したストラビジョンのPCI指標は、その意味で国際的にも、おそらく初めて開発された特許の質を複合的に定量化したデータであると考えられます。

特許をはじめとした知的財産の経済的意義を定量的に研究する時、私自身にとってもこうした指標は不可欠のデータとなります。今後、こうしたデータが有効に利用され、感覚的判断を下支えし、企業の合理的な知的財産マネジメントに資することになることが期待されます。